梅雨が明けたら、いっきに盛夏になりました。
内陸の埼玉は連日、40℃近い猛暑が続いています。本当に暑い!
時間に余裕のあるこの夏、涼を求めて名山制覇と行きたいところですが、
今年は遠出が憚られて、なかなか足が向きません。
それならば、今年は地元・埼玉の低山を連覇してみようかな。
それでまずは、お1人でもハイキング気分で気負わず登れる山、官の倉山へ。
標高344メートルの低山ですが、駅から直接歩き出せて、短時間で変化のある山道が楽しい歩きごたえのある山です。
東武東上線の東武竹沢駅から、官ノ倉山を目指します。
登山口まではのどかな田舎道。
農作業に向かう地元のおじさんが、ザックを背負い汗だくで歩く私に声を掛けます。
「この暑い中、よく行くねー」
「こんな暑い日だから、行くんですよー」と私。
おじさんたちは、
「そーだ、山歩くにゃ、気持ちいい暑さだ!」
ケラケラ笑って返してきました(笑)
道路のあっちとこっちからですから、マスクなしで大笑いも問題なしです。
途中で、足元に可愛いほおずきを見つけました。
いや、それにしても暑い。山に入る前からもう汗だく、手持ちの水をがぶがぶ飲みながら歩いて行くと、いきなりお猫様お二人に遭遇。
地面にお腹をつけて涼んでいます。
人慣れしているのか、私が近寄っても「ふーん」って感じで意にも介さず。
集落を抜け三光神社を過ぎると、民家がなくなり山道に入ります。
登山道に入ると見えたのは山王池。
水辺景色で、気温は変わらないのに、なんだか少し涼しくなったような気になる。
山の中は杉林、薄暗い樹林がさっきまでの射すような陽射しを遮ります。
薄暗い登山道に、時々、すうっと風が吹いて、汗ばんだシャツに入ってくる。
山の中で感じる暑さは、町中とは全然違う気持ちのいい暑さです。
杉の根がごつごつとした斜面を登っていきます。
くねくねとした細い急登を登りきると、官の倉山頂上。
空気が澄んでいたら、下の小川町や奥秩父の山々が望めるのに、
霞んで遠くの景色は望めなかったのが、ちょっと残念。
駅を出発してちょうど1時間くらいの道のり。
ザックを降ろしベンチに座ってボーっとしていると、頭の中の余分な澱みたいな考えが抜けていくようで心地いい。
官の倉山から石尊山へ
なんと官の倉山を目指してきたのに、官の倉よりもずっと景色がいい!
ここからは秩父の山並みが見渡せます。誰もいないので、思わず「わおー」と声。
流れる汗を拭き一息ついて、ここで今日の目的達成。
小川町駅に向かって下りていきました。
下り道は、ひっそりとしていて、静かな山道、誰にも会わない。
森の中で聞こえるのは、頭上から降ってくる蝉の声だけです。
首回りもシャツも汗でぐっしょりなのに、暑さに身体が軽くなる気がします。
鎖場のある急な斜面が、少し緊張感を作って、これもまた心地いい。
小さな不動の滝から落ちる水の音が、森に響いていました。
森の中で聞く水の音は、独特の響きがあります。
落差を落ちて流れになって、その流れが石や両岸に当たって弾けて・・・
一律ではなくて、刹那に異なる音の連なりは、打楽器の音楽を聴くようです。
(動画があるのですが、スキルがなくて音をお聞かせできなくてスミマセン)
山道を下りながら、何で山に登りたいと思うんだろうなと、つらつら思いました。
で、歩きながら、思い至ったこと二つ。
一つは、頂上、辿り着きたい場所が分かっているから。
山には目指す場所が必ずあります。
登りながら「どこに行こうかな」と迷う人はいません。
普段、日常にある、どこに向かえばいいのか分からなくなる不安、
そんな不安を、山が解放してくれるような気がします。
もう一つは、行くべき道が見えているから。
どんな低山でも、事前に地図を検討して、ルートを決めて登り始めます。
どこから入山して、どこに下るか。
どれくらい時間がかかるか、どこが難所で、どこで休むか。
取るべき道が分かっているから、迷わず進んでいける。
まぁ、1人歩いていると、色んなことを思うわけですが、
いちばんは、樹木や草木、岩や水、虫や鳥、そんな何気ない者たちが、居るところだからなんでしょうね。
低山登山、ドリンク剤より効く今年の夏のサプリです。
また登ってきます。